今回の記事ではFPVドローンのRPMフィルター導入方法についてです。
大きくPWMフィルターとRPMフィルターの2種類が存在し、ESC(モーターの回転数を制御している)がBlHeli_S対応(有料)か、BlHeli_32対応(無料)かで異なります。
また、RPMフィルター導入時の効果は振動の減少、レスポンスの向上、フライト時間の向上が見込まれます。
ESCがBlHeli_32の場合には初期コストも掛かりませんし、導入方法も至って簡単ですので対応しているESCをお持ちの方は導入してみる事をおすすめします。
それでは導入方法について説明して行きましょう。
メモ
FPVドローンのRPMフィルターの導入方法
先にも記載しました通り、BlHeli_SとBlHeli_32とでは導入方法が異なりますが、ESCのファームウェアの違いのみで設定方法については同様となります。
ドローンのESCがBlHeli_32の際のRPMフィルター導入方法
まずはRPMフィルターの導入方法の説明です。
ESCのBlHeli_32のファームウェア確認と更新
まず始めに、ESCのファームウェアが32.7以上である必要がありますので、BeHeli32Suiteを起動しファームウェアが32.7未満お場合には更新を行いましょう。
尚、 BlHeli32Suiteの利用にはドローンにバッテリーを接続する必要がある点に注意して下さい。
メモ
Betaflightの設定
続いてBetaflight側の設定を行いRPMフィルターを導入します。
F4フライトコントローラーの場合には「ESC/モーター機能」の項目で「DSHOT300」を選択します。
F4フライトコントローラーの場合には「システム設定」の項目でジャイロ演算周波数とPIDループ演算周波数を4k / 4kに設定します。
ポイント
BetaflightのCILで「tasks」と入力します。
rate/hzの02の項目が4000以下である事を確認して下さい。尚、F7フライトコントローラーの場合には8000以下です。
「ESC/モーター機能」項目で「双方向Dshot」をオン、モーター極数をモーターの内側の磁石の数に設定します。ESC_SENSORはESCが対応している場合のみとなりますのでオフで構いません。
ポイント
次に動的ノッチフィルターの量を減らす必要があるので、以下のコマンドCIL入力。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 |
# To enable RPM filtering, first apply these settings # timer and DMA changes for this target. These will ensure that your # quad can receive telemetry frames on the motor signal lines. # set looptime to 4k to have enough computational time set gyro_sync_denom = 2 set pid_process_denom = 1 # Start with dshot 300 which is most robust set motor_pwm_protocol=DSHOT300 # basic settings required to enable rpm filtering: set scheduler_optimize_rate=on set dshot_burst=off set dshot_bidir=on # enable debugging for noise assessment set debug_mode=gyro_scaled # reconfigure dynamic notch filter to focus on narrow frame resonances # since motor noise will already be eliminated by the rpm filter. set dyn_notch_range = medium set dyn_notch_width_percent = 0 set dyn_notch_q = 250 |
続いてPID項目のフィルター設定を見てみましょう。
基本的な設定は上記の様にして、後は0.1づつスライダーを動かして10秒程度フライトしてモーターが熱を持っていないかを確認します。設定するドローンにもよりますが、1.3くらいまででも全く問題はない事が多いです。
私の設定ではダイナミックノッチフィルターは少し変更してありますが、先のほどのCILのままでも問題ありません。日本人の多くの方も「Joshua Bardwell」のYouTubeを参考にしている方も多いかと思いますが、私もそのうちの一人です。
まとめ
今回はRPMフィルター導入方法とBetaflightの設定方法についてご紹介しました。今後、徐々にBlHeli_32が主流となっていく可能性もありますので、導入方法については覚えておいて損はないかと思います。